二〇年代の遠近感
2024/05/23 昨日
結局読書と日記にすべての時間を費やして図書館をでたのが閉館五分前。同居人が働く表参道のオフィスに立ち寄り、『悪は存在しない』の二回目を社員たちと見てきたという社長とその映画の話をする。ニコニコして話してくれるから話しやすいのだけど、とくに出だしにおいて下手なインタビュアーのような直接的な質問から会話を始めてしまい、相手の出鼻を挫いていないか心配になった。しかしそれなりに距離のある人と映画の話をするのは面白い。ちゃんと自分のポイントオブビューを提示するという手順を踏んでいるから中身のある話になる。映画の話は面白いものだったと再認識させられた。自分にも鮮烈な印象を残した夜のシーン、車のライトがきれいな光のギザギザになるところは、レンズが良いとああいう画が撮れるらしい。ためになることを教えてもらった。映画を見て「物事を自分の思う方向に決めつけない姿勢」を自分は前提にしているつもりだが、それを引っ張って理由がわからないと居心地が悪い状況を映画が作り出してきているから、普段のペースを乱されて居心地の悪さを二重に味わう羽目になったという話をした。映画を見て映画が伝えるメッセージを正確に受け止めるのではなく、自分がそれを見てどう感じるかというところにフォーカスするということを言っていて、それには完全に同意だった。そういうときにはあまりにも言っていることがぴったりするので話を広げにくいということが起こるということを知った。向こうもお酒を飲んでいて話しやすいセットが組まれていたのでもっと話をしたかったがすぐに運転代行が来てお開きになった。下北沢から歩いて帰る。ボーナストラックの無人花屋でひまわりが売られていた。夜の電灯に照らされたひまわりの黄色が好きだ。あと、初夏というのもあってほんのすこし季節を先取りしているのでおしゃれに感じられてそれもよかった。買って帰ることはせず。部屋で見るのとはすこし勝手がちがうし、そのちがいを尊重したかたち。
2024/05/24 今日
渋谷に出勤。この日とあわせて残り二日なので名残惜しい。立ち合いという仕事はかなり自分の時間が作れるからずっとやっていたいぐらいだ。午前の搬出作業の立ち合い後、デニーズに行ってモーニングを注文する。二時間半強の滞在でグーグルのデータアナリストの学習を進める。『戦争と平和』を読む。購入を検討しているエクスペリアの情報を集める。昼休み終わりの時間に作業場に戻る。午後の作業立ち合いも皆さんテキパキと動いたおかげもあり、十四時前には終わった。道玄坂を降りて宮益坂を登って茹で太郎にいく。豚丼セットを食べる。その後銀座線で銀座まで。ソニーストアでエクスペリアの実機を触ってみる。カメラ操作の懸念事項、縦持ちでシャッターを押すときにシャッターボタンが下にありすぎる問題は、設定で音量ボタンをシャッターボタンに変更できることで解決した。高い買い物だし、懸念がある場合は触ってみるにかぎる。それにしても今使っているMACよりも倍ほど高いというのはどうかしている気はする。ただデジカメを買おうとしたときに金銭感覚は引き上がっているし、スマートフォンならぬスマートカメラと位置づけて日常的にガシガシ使っていくのであれば、総合して納得できる値段ということになりそうだ。いつの間にかソニーファンになっている。スパイダーバースの影響でノイズキャンセリングヘッドフォンを買ってみてその使用感に満足してからソニーが気になり始めた。ノイズキャンセリングイヤホンも買ったし、今回エクスペリアを買うことになれば、これはもう立派なソニーファミリーだ。あと、関係ないけど『Sonny Boy』のことを最初サニーボーイではなくソニーボーイと読んでいた。
ちょっとくたびれたので帰宅することにして、家で大相撲十三日目を見る。明生ー阿炎戦は両方とも応援している力士で両方とも八勝四敗の成績だったので両方ともを応援していたが、それでも最後明生が阿炎にすくわれたときには思わず大声が出た。明生に勝ってほしかった。終わったらすぐスタバに行けばいいのにyoutubeでサニーボーイの考察動画をだらだら見て十九時過ぎになる。あわててスタバに出かけてとりあえず日記だけは書く。この後二十時半から友人と下北飲み。合流する前にすこし時間が余ったから坂本慎太郎のインタビューを読む。こういう感じで考えるのがいいというエッセンスがむき出しになっているので坂本慎太郎のインタビューは読みやすい。その考えを自分の考えにしていくというのもやりやすいと思う。ただその考えを使いこなすというか、その考えで生活するというのがむずかしいと感じる。ここからは方向だけきっちりわかるけど道がないように見える。