今日は楽しいハイキング
2024/05/06 昨日
映画『こわれゆく女』を見る。これまで見てきたカサヴェテスは都合七作品だが、そのなかで一番感心しない映画だった。退屈しないしよくできているとは思うのだが、精神的にきつかった。いたぶられているような気がした。愛なんていうのはろくでもないものだという反抗的で挑戦的なメッセージには目を瞠るものがある。しかしそれにしてもここまで露悪的にやられるとつい愛の肩を持ちたくなる。たしかにろくでもないやつだよなと一緒になって詰ってやりたいのにそうすることが禁じられているようでヤキモキさせられた。そうすると愛憎劇としてよくできているんだろう。昔見たディカプリオのレボリューショナリー・ロードを思い出した。シリアスでユーモアがないというのだったらまだ逃げ道もありそうなところを、上滑りして固くなった笑えないユーモアを随所にはさんでくるからタチが悪い。最後まで追い込まれた。しかも何の解決もないまま音楽がかかりエンドクレジットが現れて嘆息した。こんな映画を面白がって見ることはできない。映画を見ながら朝方か昼間に見た夢を思い出していた。たくさんの蝶々が寝室に現れてそれらが自分の身体を恐れずに近づいてくるから間違って踏み潰してしまわないように気をつけるんだが、次々近づいてくるから寝返りをうつ拍子に手で踏み潰してしまいそうになって焦るという内容だった。身動きしないでいることが限界になって手が蝶の上に覆いかぶさったのだが、蝶がさらに小さくなり透明にもなったので大丈夫ということになって安心して寝たのだった。映画館にすこし大きめの虫が飛び回っていて時折スクリーンに自分の影を写してアピールするということがあったせいでこの夢のことを思い出した。映画が終わったのが二十三時半すぎ、翌日は出勤なので可及的速やかに帰宅し、いそいでねむる。
2024/05/07 今日
昨夜すぐにねむるために買って帰ろうとしたカルピスの睡眠系飲料がコンビニにおいていなかったので仕方なくヤクルト千で代替したせいか、悪夢を見た。
昔の遊園地にある古ぼけたお化け屋敷のようなフロアにエレベータを見つけ乗り込む。すぐ上階に行って電車か何かに乗って帰りたいと思っていたのだがエレベータだと思って乗ったのがアトラクションのゴンドラで、幼馴染といっしょに焦りながらフロアを巡ることになった。最初幼馴染の乗ってきた車に一緒に乗せて行ってくれるという話だったが、アトラクションのせいで想定外の遅れが出たので自分の目的地に直行すると言ってどこかに行ってしまい、置いてけぼりにされてしまった。そこから場面が昔住んでいた自分の部屋に移り、良くない何かを栽培していたところ、それは法に反するというよりも著しく道徳に反する行為だったようで、嫌な予感はしたのだが、ちょうど窓から覗き込んできた両親に見つかった。果物ナイフを持った彼らに追い回された挙げ句、こちらをまっすぐ見据えながら刀身の短いナイフで自死されてしまった。その際に「自分のやったことを思え」と言われ無理に反省を強いられた。
最低の気分で朝の準備をして出勤する。たった四日間のゴールデンウィークと引き換えにこれだけ最低な朝を迎えさせられるのはどう考えても割に合わないと思った。朝の電車もぎゅうぎゅうに混んでいてつらかった。しかし、代々木上原で目の前の席が空いて座ることができ、霞が関からの徒歩移動でも雨に降られないなど、徐々に盛り返していった。昼ご飯におにぎりを食べる頃には気分的にも落ち着いて平静を取り戻した。休憩時間に昼寝をして完全復調した。
仕事はわかりやすい五月病で、そもそもなんでこんなくだらない仕事をやらないといけないのかと考え出したり、きれいな労働環境でそれが何より気に入っていたのに、ほんの細かな汚れが気になり始めたりした。しかしそれもおそらく悪夢や寝不足の影響で、気分を取り戻してからは気にならなくなった。定時で退勤する頃には職場から颯爽と歩き去ることができていた。吉野家に行って「から牛丼」のあたまの大盛りを食べてから図書館にくる。『親密な手紙』『漱石はなぜ終わらないのか』を読み、日記を書く。