動線B
2023/11/02 昨日
在宅バイト。働くモードに入ってタスクをこなしていると、それ以外のときだと気にするような他人の意図だったり思惑を無視できてしまう。こうしてみると、個人の考えとして不合理な行動を取ることが仕事という理由を与えられることで簡単にできてしまうというのはいかにもありそうなことだ。役割意識に埋没してあえて断行するときには竹を割るときの気持ちよさすら感じられるが、そういう動き方をするのはその分だけきっちり人間性を損失しているのだと肝に銘じておかなければならない。しかしこの日は久しぶりにラジオ体操ができてシャワーもできたからそのことは手放しでよかったといえる。
定時に仕事を終わらせて食事に出かける。チーズナンでお腹いっぱいになるときにはそれ特有の満足感がある。帰ってきてからPLUTOの三話を見ていたが途中で寝落ちてしまった。寝る準備をして早めにねむる。
2023/11/03 今日
かなりしっかりめに寝た。意図せず早起きになったので胎界主の続きを読む。最近三周目か四周目か忘れたが最初から読み始めている。この漫画は作者から読者に向けた記号的なサービスが少ないこともありわかりやすくはないがちゃんと読めばちゃんとわかるようになっている。ツイッターの人が描くわかりやすさを重要視してビューを上げる式の漫画とは一線を画している。
午前中から豊洲までBBQに出かける。電車の乗り換えミスやらを繰り返して集合時間に遅れそうになったので会場までタクシーで乗り付ける。天気は絶好のBBQ日和。三面窓のBBQ専用コンテナハウスで魚介や肉を焼くという都会的エキゾチズムを肺腑に存分に吸い込めるイベントで去年に引き続き楽しかった。初っ端から透明のバケツに氷を入れてシャンパンを冷やすいかにもな画に思わず笑ってしまう。笑劇の書き割りのなかにいるような気分でとくに何もなくても笑いが出てしまうようなシチュエーションなのに、生ビール(PSB)ももらいに行き放題。犬あり幼児ありダンスサークルの大学生ありのまさに酒池肉林で、しかも自分はやらなければならないことはひとつもない一番気楽な身の上だったこともあり、手すさびに肉を焼いてみたり優しい大人に話し相手になってもらったりなどしてとにかく楽しかった。
帰りの電車では楽しみ疲れたせいか眠りこけて乗り換えに失敗する。永田町で乗り換えべきところを二駅乗り過ごし市ヶ谷まで来てしまったので折り返して永田町に戻って半蔵門線に乗り換える。さらに渋谷で東横線に乗り換えて代官山にいく。着いたときにはもう暗くなっていて驚いた。秋の夕暮れはつるべ落とし。
代官山書店で原倫子(ランニングガールズのひと)の個展を見る。まだ疲れていたので外席で座って休憩するうちにまた眠りこける。文学コーナーでちょっときになる本見つけたが買わず。『話の終わり』という本。原倫子の絵をもう一度見る。「話の途中」というタイトルの絵があって偶然の符合にちょっと愉快な思いをする。見に行った個展の題は「Tiny」というもので、自分は「ちいかわ」に代表されるような小さいという良さのことが嫌いだが、なぜか「Tiny」のことは良いと思った。ちいかわにしてもその概念というか実体そのものは嫌いになれないのだが、そういうものを直接的にちいさいかわいいといって喜ぶ怠惰な受容姿勢のことが嫌いなのにすぎないのだと思った。ちょっとひねるじゃないけど言葉を選んでくれるだけですっと受け入れることができる。まずタイニイという語感が良い。大きい兄を思わせる。あとはどれぐらい小さいのかをイメージさせる言葉でスケール感への意識があるのも良い。ある程度適当だったとしてもいい加減じゃないというのが担保されているうえで、ちゃんとある程度は力が抜けているバランス感覚。
元から知っていたランニングガールズはじめどれも良かったが、個展のメインの絵がとくに良かった。鳥のおもちゃとともに左下側に描かれた女の子ふたりの人形はどちらも良いが、あえて言うなら左側のネクタイを締めた女の子がとくに好きだ。下まつげがかわいい。
LUUPで神泉まで進んで電車に乗って下北沢に帰る。丸亀製麺で釜揚げうどんを食べる。ここでたっぷりのねぎとすりおろし生姜を食べていたらそれだけで風邪引かないんじゃないかと思った。
気温がそれなりにある日だったので汗をかいていた。帰ってシャワーを浴びてから家で日記を書く。