20230525

日記114

蛍の光

昨日
小説のワンアイデアが浮かんだ。これだったら書けるという形式を見つけ出したということだが、それを読むことの面白さについては全然請け合えるような代物ではない。だが結局書けるものしか書けないのだし、書ける以上はそれを書くしかないのではないか。しかし、昨日このアイデアが思い浮かんだ瞬間にはすべてが完璧に思えたのだけど、一晩寝て日中仕事して夕方散髪してスタバに座ってこれを書いている今、というか朝起きてからしっかり夜になる今までのあいだずっと、全然大したものに思えない。毎度のこととはいえその落差に若干落ち込む。
しかしとにかく書くしかない。小さくまとまるようなことをしないでのびのび書くことだけ心がけよう。
自分が読みたいものを書くんだと意気込んでいたものだったが、最近はそれさえ思わなくなってきていて、自分の書きたいものを書くんだという幼稚園生になんとかクレヨン持たせようとするみたいな展開になってきている。自分の読みたいものを書くということのハードルが高すぎるのがわるい。
友人がライブハウスにバンド音楽を聞きに行くというのでタリーズでの喫茶のあとから合流する。四組出演したうちのトリのバンドだけほぼフルで見れた。オーソドックスな編成の3ピースバンド。基本的に明るい音楽なんだけど、曲の終わりや小節の終わりに飛び立ちそうで飛び立たない、気持ちいいリズムがあるんだけどもうちょっとで入れるというところで止めてしまう、というところになぜか誠実さを感じた。音楽に対してストイックというか、盛り上がるためのツールとして音楽を使っている連中を嫌悪していそうな風情があり、客にむけてではなく虚空にむけて演奏しているように見えたのが良かった。しかもおそらく自分が気持ちよくなるためにそうしているわけではなかったと思う。そうだとするなら、もっと長く演奏できたはずだし、もっと明るい、もっと伸び上がれるような音を選ぶはずだ。そうしないほうが上がれるというだけのことかもしれないが、その様子、行き切らない感じが自分には今の時代を代表するように思えた。
それはいいんだけど、友人はバンドを好んで見にいくことが多いようなのだが、こういうバンドを見て感じるものがないんだろうかという疑問をもった。そこまで強烈とは言えないまでも彼らはたしかに光を放っていた。そういう光に対して思うところはないんだろうか。
圧倒的な光であれば明らかに自分とは違うわけで、自分とは違うと考えて平気でいられると思うが、今回のように眩しくて目を開けていられないほどではない光だとそれを直視することも可能なわけで、その場合目が焼かれないでも心が焼かれそうなものだと思うが、ステージに対しては明らかに自分とは別物、無関係のものと考えているということだろうか。それとも「音楽が好き」ということなんだろうか。そうだとしたら、友人には彼らの輝きは全然見えていないのかもしれない。
帰って鶏のひき肉とお芋を甘辛く煮たやつをいただく。甘辛くて美味しかった。
寝る前からなんだか歯が痛い。季節の変わり目に起こる歯痛であればいいのだけど、もし新しい虫歯ができていてそれが進行していたら嫌だなと思う。歯医者での治療のことを思うといつも気が重い。ただでさえ歯痛で削られるのに歯医者に行く心配まで抱えていられない。

今日
在宅仕事。昨日の今日なのでさすがにモチベーション高く仕事することができた。しかしただでさえ余裕がないタスク消化状態に新しい仕事が降ってきてなかなか追い詰められた。大相撲は部分的にしか見られなかったが、結びの一番、照ノ富士が強かった。横綱っていうのは強いんだなと感動さえおぼえた。その前の一番、貴景勝は立ち会いで押し負けていた。つらそうだし苦しそうだが、まっすぐ押して押し負ける様子には胸に迫るものがある。
関係ないが、相撲を見始める前にはなんとなく「小結」というのは弱い力士のことだと思っていた。字面で判断しただけだが、今となってはとんでもないことだと思う。それでもあえてフォローすると、”横綱や大関にくらべて”弱い力士だと思っていたのだと思う。それ以外の力士など注目もしていなかったから。文学賞には芥川賞しかないと思っているほどの無知だ。いや、それはちょっと違うか。
夕方に散髪に向かう。予約していたので残業するわけにはいかなかった。明日は残業になりそうな予感……。
散髪のあとスタバに行く。『同時代ゲーム』を持っていかず。とりあえず小説を書くことにして、小説を読むのをやめた。これで動画を見ていたら本末転倒なので動画は見ない。テレビも見ない。SNSも見ない。サッカーと大相撲と新聞だけ見る。さて、それで。それでどうなる。

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