20230523

日記112

競争社会


 一昨昨日(さきおととい)

ぷらっとこだまで名古屋に行く。新幹線乗車に遅刻できないプレッシャーでかなり早い時間に品川に着き、30分以上品川駅の新幹線ホームで座って待つ。品川駅の新幹線ホームは地下にあるという発見があった。ドリンク券でビールの500ml缶をもらえたのでここ数年でも最速の時間に飲み始める。寝不足だったが車内でも眠れずに「サンクチュアリ」を消化する。

寝過ごすかもしれないという緊張感で眠れなかった。京都や新大阪まで行ってしまったらさすがに厳しい。『サンクチュアリ』は勢いだけのドラマだった。勢いは大事なのでそれがあるというのは良いことなのだが、視聴者を飽きさせない方法として刺激を与え続けるという長続きしないやり方を選んでいて、そういうやり方にはやっぱりげんなりさせられる。

名古屋に着き、久しぶりに弟とも会う。母が右手首を骨折していて驚かされた。山登りの下山途中、ほとんど終わりの道ですべって転んで、わるい手の付き方をしたらしい。事故は恐ろしいので気をつけてほしい。

気を取り直して覚王山まで行き、祖父のお墓参りをする。テクノロジーの進出が目覚ましく、立体駐車場と似たスタイルになっていた。英國屋というインドカレー屋でチーズナンを食べてから東山公園に行く。広い動物園をゆっくり回って、スカイタワーにものぼって、3人ともくたくたになる。とくに入り口すぐのところにいるサイが見ものだった。すごく間近で見られて大満足。正面から対峙する一幕があり、近寄ってくるサイにこちらからも向かっていく時間が持てた。時間にしてほんの2,3秒ぐらいだったが、ものすごくゆっくり動くサイからちょっと言葉にならないような迫力を受けた。

夕ご飯にモツ鍋をご馳走になり、新幹線で即帰宅。さすがのぞみは早い。帰りの車中で漫才大会ザ・セカンドを見る。TVerで見たが電波が良くなくてぶつぶつ途切れ、あまり笑うどころではなかった。漫才は集中してそれなりに大きな画面で見るにかぎる。

ザ・セカンドは今年二回目だった。ひょっとするとザ・セカンド自体がそもそもそこまで面白い番組ではないのかもしれない。審査員というのは重要な役割なのだと再認識させられる。


一昨日

非常に疲れた一日のあと気絶するように寝たが、12時頃だったので8時すぎに自然に目が覚める。昨日のザ・セカンドの序盤の漫才を見られていなかったので見返す。昼過ぎに下北にでかけてゴーグルと水泳帽を買い、うどん屋でうどんと天ぷらを食べてから、世田谷区のプールまで泳ぎに行く。久しぶりのプールとその中にある大量の水はやっぱり最高だった。クロールと平泳ぎをする。ビート板を使ってバタ足だけというのもやってみる。

動物園で動物を見た翌日に泳ぐというのは面白い体験だ。当日だったらもっと面白いのかもしれない。水中では普段陸上で何気なくやっている動くということが意識されるから、自分も一個の動物であるという感覚に至り、その感覚をもって動物のことを思い出したりするなかで、一種独特の感興をよびおこされるのだったろうか。

1時間だけ泳いで散歩してから帰る。子どものためにある公園を通って歩いたのだが、子供同士で遊ぶなかで子供同士が話す声も聞こえてきた。その内容をちょっと忘れてしまったのだが、かなり子供の言うことという感じでしょうもないことだったのだが、何かを衒って声を出している気配が微塵も感じられない大声でとてもよかった。何かの呼びかけだったような気がする。無駄が一切なく、前日に見た動物が持つ良さに近かった。

自分も子供の頃にこの種のおたけびを上げていたはずなのだが、やっぱり意識として滞留する機会が少ない(あるいはまったくない)からか、かたちある記憶として残っていない。

散歩が延びた影響で帰りが少し遅くなり、大相撲をちょっとしか見られなかった。弁当屋で買ってきた弁当を食べて、翌日が朝早いこともありとくに何をするでもなく酒を飲み、9時頃に寝る。


昨日

5時に起きて5時45分には家を出る。早出出勤。15時半にハネてすぐに帰る。事務的な用事を済ませてからスーパーでカツ丼を買って帰る。大相撲、結びの一番で明生が照ノ富士に土をつけて座布団が少し飛ぶ。この日はゲスト解説に今場所で引退した栃ノ心がきていた。横綱照ノ富士が栃ノ心ほど強い力士はいなかったと言っていたようですとアナウンサーから告げられた栃ノ心が放送上絶句していたのが印象的でグッときた。

この金星を上げた明生を見て、たまらず明生を応援しようと思ったのだったか。しかしさっと名前が出ているところを見るとこれより以前に目をつけていたのは間違いない。栃ノ心の絶句場面は思い出しても感動する。力士にはお互い同士でしか掛け合うことのできない言葉があり、力士に特有の言葉少なな表現によってそれがぶっきらぼうに語られるとき、聞くものをとくに感動させるのだろう。栃ノ心の気持ちになって勝手に感動した。

雨が降り始めたのでどこにも出かけずに、pixelに満杯に溜まった写真の整理をしようとする。うまくMacbookと接続できずに時間を無駄にする。9時頃から映画を見る。『もゆる女の肖像』。面白かったがところどころ寝た。もとい、ところどころ寝たが面白かった。表情の揺れが、風が強い日の沖のように大きく揺れていたのが好みでいえば好みではないのだが、そこがハマるコンディションだったり精神状態であったりすれば最高の一本になったろうと思う。真正面から顔に取り組んでいるのは好感が持てる。肖像画をそのまま映画にしたようで、夢中になって見ていられた。

夢中の人になったとき、映画を見られていないはずなのに、そうなりながらも継続して見ているような感覚になっていた。うつらうつらしているときにだけ可能な見当識。


今日

在宅仕事。一生懸命仕事をする。大相撲、北青鵬が規格外の大きさを活かして明生を倒していた。この日も明生は強かったから北青鵬の化け物具合が露わになった。

弱い立場のものを虐めていたというホクセイホウのことを応援しようとは思えないからやはり引退は妥当な処分だと思う。

仕事後外に出てスタバに行く。読む本を忘れたのでその分も日記を書く時間に充てる。小説は書き進めるどころか、小説のことを考える時間さえほとんどなかった。もっと暇な時間で溢れさせたい。どうにか暇な時間を作らないとこのままでは日記ばっかり書くことになる。それでもいいといえばいいんだけど、他にも泳ぐためにプールにも行きたいし、音読もやりたいし、写真も撮りに行きたいし、街歩きもしないといけないし、とやってるうちに全然暇がなくなってしまう。仕事をする時間が半分程度にならないものか。

まったく同じことを今日も考えた。一年経っても同じ悩みがあるというのでは困る。本当にどうにかしないと。職場が変わって負担が減っても同じだというのが厳しい。職場が変わったのは結果的にすごく良かったが、そうだとしてもこのままではいられない。

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