20221114

日記51

昨日
さる演劇祭に出演することになり、その稽古参加初日だった。参加メンバーは女6人男4人の10名で、見たところ全員演劇経験者のようだ。応募の際にきっぱりと「未経験」と書いているので、私は自分が演劇素人であることを気にしないつもりでいた。しかし、いざ参加してみると、そういう「つもり」は役に立つものではないということを再認識させられた。みな舞台経験を持っているからか、押し出しが立派な様子で、何かを言おうとすると気後れを感じてしまう。とくに3人・3人・4人のチームに分かれての寸劇創作では、とつぜん役者のなかに放り込まれたようでやりづらさを感じた。「ある言葉をもとに20分で創作してください」と言われただけで、どんどん意見を出し合って寸劇を成立させようとしていく勢いはそれなりにキビキビしたもので、乗り遅れないようにしようとするので精一杯だった。「成立させる」も「振り落とされないようについていく」も経験不足によって実際にそうなるのは仕方ないにせよ、取り組む姿勢がそうなるのは避けたいところなのでどうにかしたい。自分自身に気後れしていないと錯覚させるにはどうすればいいだろうか。
とにかく「さる演劇祭」と言いたかったのでそれによって文体が決まったところがある。下北沢演劇祭に参加した。稽古初日は愛媛での友人の結婚式のため欠席したので二日目からの参加になった。経験者がどうとか言っているが、たんに自分の人見知りが出ているだけだ。なんとなく理由として縋りやすいポイントに演劇の経験有無があり、それを利用したにすぎない。ちなみにその利用は最後まで続いた。よくない逃げ腰・及び腰の態度だ。そうでもしないととてもじゃないがやり通せなかったとすれば仕方ないことだが、終わってしまった今となっては「喉元過ぎれば」ではないが必ずしもそうだとも思われない。まあこんなことを言っても詮無きことだ。「当時は」あれで仕方なかったということにしよう。


◎初日稽古でやったこと

・注意事項説明
今回の演劇創作スタイルは稽古の進行にあわせて場面を作っていくので、欠席はできるだけ少なくするように。スケジュールの変更・詳細について。

・名前おぼえゲーム
1.自分が呼んでほしい名前を自分で決める
2.輪になってスタート
3.ひとりが相手の名前を呼びながら指差す
4.指さされた人は自分の名前を言いながら相手の指差しを受け取る★
5.誰かを指差しながらその人の名前を呼ぶ
6.指さされた人は自分の名前を言いながら相手の指差しを受け取る
7.3〜7までを繰り返す

・単語渡しゲーム
1.あるカテゴリのなかから、ひとりひとり自分の言葉を決める
 例:動物 マレーバク
2.指差していく順番を決める
3.決まった順番で相手を指差しながら自分の単語を言う
4.指さされた人は相手の指差しを受け取る★
5.自分の単語を言いながら決まった相手を指差す
6.3〜5までを繰り返す
7.べつのカテゴリのなかから、ひとりひとり自分の言葉をべつに決める
 例:飲み物 ファイブミニ
8.指差していく順番をべつに決める
9.決まった順番で相手を指差しながら自分の単語を言う
10.指さされた人は相手の指差しを受け取る★
11.自分の単語を言いながら決まった相手を指差す
12.3〜5までを繰り返しながら、同時に8〜11も繰り返す
13.カテゴリと単語を増やし、同時並行での受け渡しを増やしていく

これらのゲームで重要なのは★の箇所で、きちんと相手の発信を受け取ってつぎに進むこと。たとえば舞台上でも、セリフを言うことに気を取られすぎて相手の発信を受け取らないまま進めると単なるセリフの言い合いになる。そうならないように、相手の発信をきちんと受けてから発信をするように意識する。

・写真許可
稽古風景の撮影をするが、写りたくない人がいたら教えてくださいというアナウンス。

・クレジット名相談
本名以外でクレジットされたい人は名簿にその名前を書く。

・全体写真撮影
稽古初日の全体写真撮影。

・カウントアップゲーム
輪になってアイコンタクトだけでお互いの意思疎通をはかる。
1から数字をカウントしていく
「1」と言うときには、言いながら1人が動く
「2」と言うときは、言いながら同時に2人が動く
「3」のときには、同時に3人が動く
数を増やしていく

・30秒ジェスチャー伝言ゲーム
2チームにわかれて行う

・連想単語1分作劇
3チームに分かれて行う
(2チームでも可・人数配分は等分でなくても可)
ひとつの言葉から連想する単語を3分間で思いつくかぎりいくつも列挙する
例:マッチ売りの少女
チームで浮かび上がった単語を持ち寄り、そのなかのひとつの単語を使って1分間の劇を作る


近所の気になっていた鰻屋で鰻重とう巻きを食べる。竹でこんなに満足なんだから松はどうなってしまうのか心配になった。これまで食べた鰻は甘いタレだったのだが、からいタレもこれはこれで良いものだと思った。江戸前っぽいと思うのはたんに東京で食べているからか。
鎌倉殿の13人を見る。実朝ががんばっている。蹴鞠の東西出来レース合戦に笑った。
日付変わってハンターハンターを読む。本当に読み応えがある。登場人物の量がどんどん膨れ上がっていって面白い。まるでピンチョンの小説のようだと思うが、増えるペースだけでいえばそれすら超えている。軍人が一番よわいのも面白いし、彼らの自他の戦力差が大きいのをしっかり把握して生存しようとする思惑も、ツェリの学友という立場も、今後ゲームに組み込まれ絡まり込んでいくと思うと本当に面白くなりそう。とにかく情報量が多い。セリフ回しだけで新登場キャラクターの性格と関係性を必要な分だけ十分に開示していて、ものすごいものを読ませられたという気になった。まだまだ期待が高まる。しかもそれだけじゃなくこの一話が一話として面白い。すごい。
はやくハンターハンターの続きが読みたい。あれから一年経ったがあれ以来鰻を口にしていない。

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